恋愛探偵 第14回目【彼女の前で緊張してしまう】

恋愛探偵の中村千花です。

前回から随分ご無沙汰していました。

季節は移り変わり、
すっかり秋も深まっています。

来月は恋人たちのイベントのクライマックスが来るので、
今お目当ての人がいるとしたらつい焦ってしまいがちですね。

 

 

久しぶりの連載なので、
恋愛探偵について説明しましょう。

文字通り、恋愛を探偵するコラムです。

ミステリには『安楽椅子探偵』というジャンルがあって
事件現場に行かずにして謎を解くという探偵がいます。

ホームズとか、ジェーン・マープルなんかですね。

それに倣って、
“お寄せいただいたメール相談から、
相談者に会わずして悩み事を解決しましょう”
というコンセプトの元に連載をしています。

解決したいことがありましたら、
相談の詳細を書いてメールをくださいね。

では、久々の相談は、
30代のDさんという男性クライアントさんです。

 

クライアントDさんからの相談

 

付き合って3ヶ月未満の彼女がいます。

ずっと男子校だったのと、
少しの期間ですが引きこもっていたこともあって、
初めてできた彼女です。

出会いはネット上で、SNSでの付き合いが長く、
時々デートもしますが、そのデートがなんだか苦痛です。

なぜかというと、好きなものを好きな分だけ
食べられないため、早く家に帰りたいと思うからです。

「それおいしそう」「半分こにしよう」と言われるのが
とても嫌なのに嫌だと言えません。

自分が好きで注文したので一人で食べたいのに、
半分あげないといけないため、それがストレスです。

自分は完璧主義なところがあるため、
少しあげるという、『少し』がどれくらいの量か分からないので
凄く嫌なのです。

それに、食べたくもないものを喜んで食べないといけません。

いくら美味しいとはいえ、
人が食べているものを押し付けられるのは嫌です。

もともと他人に対して少し潔癖だったりもするのですが、
付き合うって、こういうことも我慢しないといけないのでしょうか。

彼女のことは嫌いではないし、手を繋いだりしますが、
食事を分け合うのが当然みたいな空気がすごく嫌です。

 

話を整理していきましょう

 

まずは、初彼女おめでとうございます!

引きこもっていた期間があるとのことなので、
そこから女性と付き合うところまで進展できたのは
とてもいいことではないでしょうか。

ただ、そのお付き合いで、我慢しないといけないことがあって、
それが食事のシェアとのことですね。

もしかしたら、異性と付き合ったことのある人は
少なからず同じようなことを感じるのかもしれません。

なぜなら、お互いに育ってきた環境も習慣も違うため、
自分がいいと思ったことを相手が嫌がったり、
相手がいいと思うことが、すごく嫌だと感じることもあるからです。

 

 

ただ、それは特別なことでもおかしなことでもありません。

人はそれぞれ自分の世界を持って生きていますが、
同じように自分の世界を持った相手と寄り添い、
相手の世界を認めて受け入れていくと、世界が広がります。

そういった、他人の価値観を認めて受け入れることができるのが、
大人になるということだと思います。

自分の世界だけ受け入れて欲しい、けれども
相手の世界は受け入れたくないというのは、道理に反しますよね。

子供の頃であれば許されますが、
いい大人になっても変わらないのであれば、
人と信頼関係を築けない人になってしまいます。

自分の嫌なことを我慢しないといけないかという質問ですが、
「我慢しないといけません」。

全く誰とも関わらずに生きていけるのであれば構いませんが、
頼ったり頼られたりする社会の中で生きていくなら、
我慢しないといけないことだと思います。

毎日学校に行くことって、その我慢の訓練でもあるのですが、
Dさんは引きこもっていたこともあるので、
その分の訓練は今しないといけないんだと思いますよ。

 

『あいまいな人づきあいを心がける』

 

Dさんは『完璧主義なところがある』とおっしゃっています。

完璧主義だと、自分のイメージや自分で築いたリズムを
他人に壊されたり崩されたりするのが嫌なのかなと思います。

私もそういうところがあるため、その気持ちが分かります。

ただ、その完璧主義は修復不可能なところまで崩されると、
もうどうでもよくなってしまいませんか?

もし、そうだとしたら筋金入りの完璧主義じゃありません。

むしろ、根はズボラな人に多かったりします。

完璧主義というよりは、頭が固いんでしょう。

100という完璧が無理だと思ったら、0になってしまうんですね。

いわゆる『100か0か』のタイプです。

この100と0しかない生き方をしている人にも
引きこもりは多いように感じます。

自分の思う通り(100)にいかないから、世間と遮断してしまう(0)のです。

 

 

そういう生き方は、なにより自分が辛いと思います。

Dさんは、生きずらいと思っていませんか?

もしもそうだとしたら、50くらいのあいまいさで物事に対峙するよう
生活してみましょう。

あくまで、頭を柔らかくね。

 

THE 推理

 

せっかくお互いに好意を持ってお付き合いができたというのに、
このままではDさんが彼女に対して音信不通になってしまいそうです。

それもきっと、彼女のことが嫌いになったのではなく
自分が嫌だと思うことに我慢ができなくなってフェードアウトのパターン。

 

 

そもそも異性のお付き合いって、自分の価値感が崩壊することの連続です。

むしろ、その価値観が崩されることを楽しいと思えなければ
1対1でお付き合いをすることは、ちょっとしんどいかもしれません。

それに我慢ができないのであれば、アイドルを追っかけたりすることに
満足するのでもいいと思いますよ!

コミュニケーションが取れない相手であれば
自分のペースを崩される心配などないのですから。

ただ、せっかくできた彼女なので、この先も仲良くして行って欲しいと思います。

きっとDさんは、彼女の前では100の自分を出してしまうので、
カッコつけているんじゃないかなと予測ができます。

彼女はきっとカッコつけたDさんが好きなわけじゃないので、
少し肩の力を抜いてお付き合いしても大丈夫ですよ。

食事をシェアするのが苦手なのだとしたら、そう言えばいいし、
苦手なことやできないことは、食事の件だけではなく、
我慢をせずに早く相手に伝えましょう。

あくまで、彼女に対する思いやりをもって伝えれば
きっと伝わると思います。

我慢に我慢を重ねて、それでも嫌だと伝えられなくて、
我慢も限界になって彼女の前から消えられたとしても、
彼女としてみたら困惑するだけです。

彼女にしても、自分の好きな相手に無理をさせるなんてしないでしょうから、
「それなら早く言ってよ」と思うんじゃないかなぁ。

 

恋愛探偵よりひとこと

 

Dさんは男子校育ちで彼女とのお付き合いも初めてということなので、
彼女の前で理想の男性のような振る舞いをしているのではないかと感じました。

けれども、どちらかが畏まってしまうと、なかなか砕けた空気にはなりません。

彼女にしてみたらもっと親しくなりたくて冗談を言いたくても、
Dさんがそういった隙を見せないために冗談も言えない……。

何度会っても二人の距離が縮まった感じがしない。

という風に思っているかもしれません。

Dさんが完璧な自分を見せていることで、彼女が壁を感じてしまっていることも
あり得るかもしれませんね。

完璧な人が好かれるのであれば、世の中のカップルは完璧な人だらけです。

けれども、そうではありませんよね。

人と人とのお付き合いなのですから、いい所もそうでない所もお互い見せ合って、
許容しあうという関係を築けていければいいなと思います。

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中村千花

中村千花

レンタル彼女PREMIUMにてレンタル彼女をしています。
お仕事や日常で様々な恋愛相談を受けている中で、恋愛や人間関係・コミュニケーションについて気づいたことを発信していきます。

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