人の内面を想像したり察したりすることって難しいですよね。
こういったところが上手くいかなくて、コミュニケーションが得意じゃないと思っている方もいるかと思います。
特に男性は女性よりも論理的に物事を考えてしまいがちで、あまり共感力に長けていない人も多かったりしますので、こういった悩みを持った経験のある男性も多いのではないでしょうか。
でも逆に言ったら、そういうような方はそこさえ克服できたらコミュニケーションへの悩みの大部分がなくなり、より円滑なやり取りができる可能性があるんです。
今回はこの相手の内面を察する力について書いていますので、ぜひとも参考にしてみてくださいね。
コミュニケーションで大事なのは、察する力
人生を生きていくうえで避けることのできない、周りとのコミュニケーション。
たとえ、「誰とも話さない」という行動をしていたとしても、実のところは「話さない」という極めてパワフルな情報の発信(これがコミュニケーション)をしていることになりますから、避けることができないというのも納得できますよね。
そんなコミュニケーションにおいて非常に大切であるのが“察する力”です。
察する力とは、相手の考えや思いを汲み取る力であり、もっと平たく言えば、空気を読むことのできる力のことです。
これができる人は、相手の話し方やその場の状況などから相手が何を考えているのか、感じているのかを感じ取ることができるので、
「今は疲れていそうだ」と感じれば相手の心身を思いやったり、
「○○をしてほしいのかな」と感じればそれを与えてみたりというように、
相手に寄り添ったコミュニケーションを取ることができるのです。
すると、お互いに意思が通ったやり取りが可能となるので、非常に気持ちのいいコミュニケーションが成立するというわけです。
また、察する力がつくということは、相手の気持ちがわかるということでもありますので、共感性が高くなるとも言い表せます。
つまり、察する力がつくということは、おのずと共感性も高くなるということであって、気になる相手とやり取りをする際には、今まで以上に相手のことを理解できるようになるし、そのうえでそれに合わせた接し方をすると、ふたりの仲はずっと親密なものへとなり得るということなんです。
2つのコミュニケーション
そもそも、コミュニケーションにはその種類が2つあることをご存知でしょうか。
その2つとは『デジタルモード』と『アナログモード』です。
それぞれを説明していきましょう。
デジタルモード
『デジタルモード』とは、話している言葉それ自体を表すもので、文字通りの内容を伝えます。
例:話し手「私は元気です」
聞き手(◯◯さんは元気なんだ!)
この例のように、デジタルモードのコミュニケーションでは言葉をそのまま受け取るだけでいいので、非常にわかりやすく、話し手と聞き手の情報が一致しやすいのが特徴です。
つまり、コミュニケーションによる齟齬が出にくいものということです。
アナログモード
反対に『アナログモード』はというと、気持ちや情緒的なものを表し、その表現方法が非言語であることが多く、加えて比喩的であいまいです。
そのため、聞き手によって様々な解釈が成り立ってしまい、話し手と聞き手の情報が一致しづらいのが特徴で、コミュニケーション能力に差が出るとすればこの部分です。
もし、コミュニケーションの際に相手との間に何らかズレが生じているような気がする場合には、その原因はきっとこのタイプのコミュニケーションが上手くいっていないことが多いのです。
こちらも例を挙げるとこんな感じです。
例:話し手「(かえって明るく振舞って)私は元気です」
聞き手(あれ、元気なのかな……?それとも無理してる……?)
この例のように、実際に言葉にしていない本当に言いたいことを言い方や表情などから見極めなければいけないなんて、普通に考えてみても厳しいものがありますよね。
にもかかわらず、コミュニケーションにおいて重要なのは、察する力、つまり、アナログモードというから困ったものです。
ですが、こちらは鍛えることもできるので、勉強次第ではアナログモードのコミュニケーションが上手くなる(つまり、察する力をつける)ことは可能です。
察する力を鍛えるには・・・
察する力を鍛えるには、推理力、そして想像力が必要となります。
ただ素直に相手の発言だけを受け取るのではなく、そのときの周囲の環境や相手の状況、その他にも相手について知っていることなどから、「相手が本当に言いたいこと」を総合的に判断していきます。
……が、これだけだとぼんやりとしすぎてわからないですよね。
なので、もっと具体的なところで言うと、発言以外にも相手の動作や仕草に注意を向けるということが重要であることをお伝えします。
ここをヒントにしていくことで、相手の言いたいことが見えてきます。
例えば、『挨拶への反応がいつもよりも薄い』という場合。
こんなとき「あれ?」と、「なんかちょっといつもと違うぞ」と、感じたら相手をちょっと観察してみます。
そこで、座った姿勢もどこか前屈みであったり、動きが鈍かったり、目に覇気がなかったりなど、倦怠感を帯びた風邪のような症状が見えてきたとしたら、
「体調悪そうだけど大丈夫?」
「何か手伝えそうなことがあったら言ってね」
と相手を思いやる一言を伝えるのです。
流れにすると、
①「あれ?なんか変だな……」
↓
②気怠そうに見える
↓
③「もしかしたら体調がよくないのかな……」
↓
④「大丈夫?」と声をかけてみる
と言った感じです。
こうやって見てみると、あまり感情型でない論理的に物事を考えてしまう方のほうがむしろ、こういったしっかりとした理由づけのある判断ができるように思えてきませんか?
そうなんです。相手の気持ちを察することには、このような論理的な判断は役に立つということなんですよね。
もちろん必ずしもそうであるとは言えませんが、それでも「こういう理由だからこう判断できる」というような思考が相手の内面を想像することを手助けてくれます。
ですから、相手を察する力をつけたい場合にはこのような「Aから導き出せるB」ということを多く勉強するといいでしょう。
例を挙げれば、
・眉をひそめる→イヤな反応
・テーブルの上のものを必要以上に触る→話に飽き気味
・体を前に乗り出して話を聞く→話あるいはあなたに興味がある
など、こんなことであっても判断材料にはなります。
最初は教科書的になってしまうことは仕方のないことです。
でもそれで何度か失敗をしてしまったとしても、その間違いからまた新たに勉強することで、どんどん察する力がついていき、共感性も高まって、コミュニケーションが上手くできるようになっていくのです。
おわりに
慣れなどの問題もありますから、すぐに相手の感情を正確に当てることはそうできることではないかもしれません。
しかし、それはそれで意味があります。
最も重要なのは、相手の気持ちを理解“しようとする”ことです。
たとえその結果、相手の感情とは少しずれた対応をしてしまうことがあるかもしれませんが、相手を観察してその感情を理解しようとする姿勢は、相手への気遣いや思いやりへと繋がっていき、それはきっと相手にも伝わります。
その姿勢は決して無駄にはなりません。
言葉の向こう側を想像することで、明日の人間関係にいい影響を及ぼすかもしれませんので、これを参考に相手に寄り添ったコミュニケーションを目指してみてくださいね。