恋愛探偵 第17回目【まともに生きたい症候群】

恋愛探偵の中村千花です。

みなさん、人生に迷いはありませんか?

「人生なんて楽勝だよ」っていう人に一人くらいは
会ってみたいと思っている今日この頃です。

きっと、誰もがいくつになっても迷っているのが
人生なんだと思うんですよね。

今日は、その人生も道半ばの青年がクライアントです。

 

クライアントFさんからの相談。

20才、大学3年生の男です。

公務員を目指して、単位や資格を取るために
勉強をしていますが、よく分からなくなってきました。

このまま希望が叶って就職ができても、
まともに生きていけないんじゃないかと思ってしまうからです。

というのも、子供の頃に容姿でからかわれたことがあって、
自分に自信が持てません。

性格も内向的で友達もいません。

高校生の頃に好きな女の子に振られたことも、
もう3年も前のことなのに忘れられなくて、
傷になってしまっています。

しかも同じ大学なので時々話すこともあって、
過去に振られているのにやっぱり気になってモヤモヤします。

彼女は自分が振ったことを何とも思っていないのか、
普通に話しかけたりするでどういうつもりなのか分かりません。

こんなんでは、周りの人がしているように、
就職や恋愛や結婚ができるとは思えません。

こんな自分でもまともに生きていけるでしょうか。

 

話を整理していきましょう

『まともに』という言葉が出てきますが、
はたしてFさんの言う『まとも』というのは
どういう人生なんでしょう。

『まとも』って曖昧な言葉なので、
人によって思い描くものはきっと違います。

私の思う『まとも』と、
Fさんの思う『まとも』には、相違があると思います。

でも、Fさんの言う『まとも』は、
なんとなく分かったような気がします。

例えば、こうです。

高校、大学を卒業し、一般企業に就職をし、
適齢期がきたら結婚をし、子供を育て、家なんか買って、
ローンを払い終わるくらいに定年を迎え、
定年後は悠々自適に暮らす……という感じじゃないでしょうか。

いわゆる、多くの人がいいと感じている人生と考えても
差し支えないかな。

戦後の高度成長期以降に、
『いい人生』とされてきた生き方だと思います。

今までは、皆が口を揃えて、
そういう人生が『いい人生』と言っていました。

けれども、これからはそういった画一的な人生よりも、
多様性が求められる世の中に変わってきます。

今Fさんが思っている『まとも』な人生の概念は、
10年後にはもう変わっているかもしれませんよ。

そもそも、多くの人が「いい」というものを基準にしてしまうと、
その基準は何かのきっかけさえあれば簡単に変わっていきます。

なぜなら、人間の感覚なんて曖昧だからです。

よく言われる『うさぎ跳び』なんて、
昔はトレーニングにいいからと
運動に欠かせないものでした。

けれども、今は膝を前に突き出すと
膝を痛める危険があるとのことで、
有害とされています。

子供の頃はおつかいで親の煙草を買いにくと
「えらいね」と褒められたのに、
今の時代そんなことをしたら、児童虐待にあたります。

そもそも、この煙草は男性にとって
『カッコいい』と思われるアイテムだったのに、
今は百害あって一利なしということで、
そう遠くない未来になくなってしまいそうです。

大手企業が次々と倒産する世の中で、
終身雇用制という雇用形態も崩れ去ってしまいました。

また逆に、我が家は父が早々と脱サラをして
自営業をしていたのですが、
親の職業が自営業というと、
子供の頃は変な目で見られたりしました。

しかし、父も定年になる年齢をとうに過ぎた今、
「お父さんは定年の心配をしなくていいね」と、
羨ましがられたりします。

私の生きているほんの数十年でも、
これほどまでに価値観というものが変わってしまうのです。

ですから、今思う『まとも』な人生は、
10年後にどう変わっているかは分かりません。

それなので、『まとも』な人生を基準に
生きていくのではなく、
自分のやりたいことをやるのが
一番いいと思いますよ。

 

そもそも、人生って誰のため?

Fさんの言う『まともに生きる』って、
Fさんの年齢を考えると、
親の思い描いた通りに生きるということなのかな
と考えてしまいます。

子供だからと言って、
親の決めた通りに生きる必要はありません。

一子相伝の伝統芸能を背負っているとかなら、
生まれた時から人生が決まってしまっていますが
そうでない場合、
あなたが地に足をついてしっかり生きていくというのが
一番いい選択肢なはずです。

なぜなら、親の方が先に亡くなる可能性が高いので、
あなたがきっちり勤められて、
衣食住が足りるお仕事をして生きていくのが一番いいのです。

そうでない場合、親の望んだ通りに生きてしまっていると
親がいなくなった時に、この先どう生きていっていいのか
分からなくなってしまう恐れがあります。

例え50歳で親が亡くなり、
親の望んだ通りに生きなくてもいいと分かって、
『じゃあ好きなことを仕事にしよう』と思っても、
50歳からの起業ってなかなか難しいですよね。

不可能ではないですが、
報酬を得るレベルになるまで何かを極めるには
スタートは早いことに越したことがないのです。

Fさんは

・容姿のせいで自分に自信が持てない

・内向的で友達がいない

・振られたことが傷になってしまっている

ということが悩みで、
自分の人生を絶望しているようですが、
モテない悩みはひとまず脇に置いておいて、
まずは自分がどう生きたいのか、
自分自身と対話をした方がいいんじゃないでしょうか。

『いい企業に就職をするにはどうしたらいいのか』ではなく、
『自分が極めたい道はなんなのか』ということに対して、
もっと真剣に考えた方がいいです。

ご相談の内容を読む限りでは、
人とコミュニケーションを取ったり協力をしたりして
何かを進めて行くということが苦手な人のように思います。

そうであれば、
そういった特徴を活かして就ける仕事や目標を探すべきです。

親や世間から文句をつけられないためではなく、
自分自身の将来のためです。

自分で考えて見つけた仕事や目標に向かって
突き進むことができれば、
やがてそれが自信になります。

たとえ迷いや失敗があったとしても、
歩みが遅かったとしても、
それは自分で作った道なので
迷いや失敗の中にも、必ず学び取ることがあるのです。

 

THE 推理

男性のカッコ良さというのは、
容姿だけではないと私は思っています。

容姿がもてはやされるのは、
男性も女性もせいぜい20代まで。

それ以降はいくら容姿を褒められようと、
中身の方が重視されます。

「若いね」「カッコいいね」「綺麗だね」
と言われたとしても
『若く見える人』だったら
『若い人』の方がいいに決まっています。

年齢を重ねたら、
年齢を重ねただけの経験や学びが、
人としての魅力になってくるのです。

 

それなので、一見遠回りに感じるかもしれませんが、
Fさんが進みたい道を見つけて、
その道を自力で切り拓いていくことができると、
Fさんが感じている劣等感は薄れていくと思います。

なぜなら、せっかく自分で決めた道であれば、
失敗はしたくないので、
先人の話を聞いたり調べ物をしているうちに、
他人の価値観に触れることが出てきます。

他人の価値観に触れる機会が多ければ多いほど、
あなたの世界は大きくなっていきます。

自分の世界が広がると、
自分が悩んでいたことがとてもちっぽけなものに
思えてくるのです。

そうなると自然に、
あれほどまで固執していた過去の自分と
決別することができるのです。

そして、あなたが頑張っている姿は
きちんと見ている人が必ずいるものですから
Fさんが切り拓いた道の先に、
友達と呼べる仲間や恋人と呼べる相手との出会いが待っている
ということもあり得ます。

ですから、
自分の極めたい道を進むのが一番いいのではないでしょうか。

 

恋愛探偵よりひとこと

もしかしたら、Fさんは
『こうすると友達ができるよ』『こうしたら傷が癒えるよ』
という答えを期待していたのかもしれません。

哲学のようなお話になってしまって、
期待外れだったのではないかなと思うのですが、
今のFさんに必要なのは、
他人の価値観をあなたのものさしにしないことです。

大学に友達がいないというのも、
ちょっと不便かもしれませんが、
恥ずかしいことではないので大丈夫ですよ。

学校なんてものは、
たまたま同じ年に生まれた一握りの人を
クラスに詰め込んだだけなので、
そのなかから友達を作れというのも
乱暴なお話なんですよね。

かくゆう私も学生時代の友達は、
ほとんど付き合いがありません。

私が連絡を取っていないというのもあるのですが、
やっぱり考え方や価値観が違うと、
人間関係って長く続かないものです。

ですから、あなたが自分自身の道を歩みはじめてから親しくなる人は、
本音をぶつけ合うことができるかけがえのない友人になるかもしれないし、
そこから恋愛に発展する人が出てくるかもしれませんね。

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恋愛探偵 第16回目【コミュ障男子に恋愛はできるか】

中村千花

中村千花

レンタル彼女PREMIUMにてレンタル彼女をしています。
お仕事や日常で様々な恋愛相談を受けている中で、恋愛や人間関係・コミュニケーションについて気づいたことを発信していきます。

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