恋愛探偵の中村千花です。
恋愛探偵ってワードは『女こどもが好きそう』
って思われそうだなぁと、自分でも思います。
けれども恋愛って、
“たかが恋愛”“されど恋愛”なんですよね。
生物として生きていく上で恋愛など必要ないはずなのに
恋愛によって自信がついたり、自信がなくなったり、
はたまた命を落とす人もいる。
そんなふうに、一人の人間を創り上げるのに
必要なものだったりします。
恋は人を強くするし、人をダメにもします。
相手がいようがいまいが、関係ありません。
仔猫ちゃんが象のように強く成長し、
象のように強い人が、仔猫ちゃんのように
子供がえりしてしまうこともあるってことです。
でも、せっかくなら
お互いが成長し合えるような恋愛をしていきたいものですね。
というわけで、今回も興味深いクライアントさんを紹介します。
クライアントSさんからの相談
20代後半の女です。
職場に気になる人がいるんですが
「恋愛に興味がない」と言われてしまいました。
相手は30代前半、
マイペースを地で行くような人です。
一見、人当たりがいいのですが、
そこそこ愛想がいいだけで、
話を広げようとしても
なかなか乗ってきてくれません。
彼をよく観察してみると
喜怒哀楽の起伏が薄いだけで
周囲に対して興味もなさそうです。
本人もそれを自覚していて、
たまたま恋愛の話になった時に
「自分と付き合う人は大変」と言っていました。
本音での話はあまりしないのですが
少しだけ本音が見えた時があって、
一人でいることが好きなのと
他人とは距離があった方が逆に安心する
というようなことを言っていました。
もしかしたら、私が彼のことを気になるのも、
彼が私に興味がないので
“追っかけ”に近いような心理かもしれません。
他人にも自分にも興味がない人を
このまま好きでいつづけていて
いいのかなと不安になります。
どうしたらいいでしょうか。
話を整理していきましょう
どうしたらいいかという
ことなんですが……。
どうしたいんでしょうか?
といっても、彼からの好意がありそうなら
好きでいつづけるんでしょう。
ということは、
彼に好意があるかどうか知りたいということで
進めていきますね。
他人に興味がない人って、男女問わずいますね。
だいたいが、他人に興味がない代わりに
自分に興味はあります。
この彼も、例にもれず
自分には興味ありそうですね。
もう少し分かりやすく言うと
自分の世界というものがしっかり確立されています。
そして、その世界に土足で踏み込まれることを
すごく嫌います。
(土足は誰でも嫌か……)
こういう人に自分のことよりも、
Sさんに興味を持ってもらうことは
至難の業といえましょう。
今の時点で、Sさんに特別な感情はなさそうです。
それは、Sさんも理解していることですが、
今後どう変わっていきそうか予測してみましょう。
『Sさんに興味を持ってもらえるか』
可能か不可能かで言うと、
Sさんに興味を持ってもらうことは可能だと思います。
けれども、それには今のように“追っかけ”のような
心理でいると、難しいです。
まず、他人に興味がない人を好きになってしまった場合、
『私に興味を持って♡』といった感情は、
きっぱり捨ててしまいましょう。
けれども、“追っかけ”のような心理だと
チラッとでもいいから
自分のことを見て欲しくなってしまうんですよね。
相手のことが好きなんだから
自分のことを知って欲しいと思うのは当然の心理なんですけれど、
そういった期待や欲があると
相手にされないフラストレーションを一方的にぶつけてしまって
ダメになってしまう可能性があります。
勝手に『好き』という気持ちを押し付けているのに、
反応がないとキレるというのは図々しい行為なんですが……。
恋というのはエゴの押しつけなので
こういう行為を取ってしまうのも仕方のないことなんです。
それでも、Sさんの彼を想う気持ちが
『他人に興味がない彼が生きやすいようにしてあげたい』
というような気持ちであるなら、
彼がSさんに興味を持つ日も来るのだろうと思います。
他人との接触が煩わしいと思っている
彼に変わって、Sさんが渉外的な役割を果たせると
理想的ですよね。
そして、そうなるまでには
(彼の信用を得るまでには)
とても時間がかかると思います。
自分の世界に浸っていたい人の信用を得るには、
いくつかポイントがあるので書き出しておきます。
その①
貴女の価値観をあてはめない
『普通はこうする』とかいう概念は
早いうちに捨てた方がいいです。
特に彼は社会と適合しないことに悩んでいないようなので、
世間のものさしをあてはめないで。
その②
土足で踏み入らない
自分の世界を大切にしている人のテリトリーを
荒らさないようにしましょう。
趣味に没頭しているなら、あれこれ干渉せずに
放っておいてあげましょう。
その③
図々しく距離を詰める
彼が嫌だという意思を示さないなら
空気を読まず親しくしてもいいかと思います。
距離を保つことも大切だけれど、
距離を詰められることも大切。
その④
親しくすることを求める
『自分を理解して欲しい』といった感情を押し付けたり、
「会いたい」と言って困らせたり、
女性のそういう振る舞いを喜ぶ男性もいますが、
この手の男性は嫌います。
いわゆる“ふつうの彼氏”の対応を期待できなくなりますが、
Sさんがそういうものを求めないのであれば
上手くやっていけるのではないかなと、思います。
THE 推理
やはり、こういった難しい人を
好きになるには、それなりの覚悟が必要です。
ただ、こういったミステリアスな人を
気になっちゃうのは分からなくもないんですよね。
ちょっとつれない人がたまに見せる優しさに
“キュン”としちゃう♡
なんて、乙女心の複雑なところでしょうか!?
一つ注意をしますと、その人を好きでなければ
単なる『感じの悪い人』という印象なので、
一般的には、愛想はいいに越したことはない!!
で、Sさんですが、この恋が実るも実らぬも
貴女しだいです。
「ちょっと素敵な人とお話したい☆」だったら
絶対に苦労すると思います。
恋愛探偵よりひとこと
なにごとも世の中は『ギブ&テイク』
で成り立っています。
『得たい』ものがあるなら、
Sさんから『与え』ないと得ることはできません。
相手に与えることができるから
欲しいものを得ることができるのです。
決して『テイク&ギブ』では
ないんですね。
「欲しい、欲しい」は何も得られない
と、よく言います。
どちらの側が大きくても
バランスとして良くありません。
『与え』たらきちんと『得られる』ような
相手が現れるといいですね。